異形の廃墟ビル『メタボ岡崎』に引っ越しました

[注意:京都市左京区ローカルネタです]

一目見たら一生忘れることのできない異形の廃墟建造物、"メタボ岡崎"に引っ越したので、その魅力を写真でレポートしたいと思います。

夕日に映えるメタボ岡崎。左京区聖護院はとても住みよいところ。

とにかく外見にインパクトがある。

室内。とても窓が多くて開放的ながら、レイアウトがそこはかとなく奇妙である。
写真からはアラが見えにくいかもしれないけれども、外側も内側もボロボロの建物なので、家賃が非常にリーズナブル。


最大の特徴は全室にそれぞれ2つ用意されている出窓。各部屋には3ヶ所出っ張りがあり、そのうち2つが出窓に、残る1つはベランダにアサインされる。下層の部屋と入れ違いになるように割り振られるので、外から見ると凸凹して見える。

メタボ岡崎航空写真。二棟をエレベータ-階段エリアで接続した構成。室内からは、向こう側の棟が谷の向こうにある島の様に見える。

柱の位置が変。窓からは谷向こうの島が間近に見える。開放的。


メタボ岡崎は非常に多くの間取りパターンが用意されており、これはあくまで一例。僕は3部屋見せてもらったけれども、全て大幅に違うレイアウトになっていた。(ひょっとして全室間取りがユニークだったりするのだろうか?)

中にはこんな部屋も(僕の部屋ではない)。前の住民が柱に絵を描いていった。


角が非常に多い特徴あふれるデザインは、60-70年代の黒川紀章らによるメタボリズム運動を汲んだ物。建物名の由来にもなっている。充填率を優先させておらず、全室が角部屋になるような構成が採用されている。建築当時は人気のマンションだったこと[要出典]も納得の、非常にぜいたくなスペースの使い方である。
全体として異様に対称性にこだわった印象を受ける。例えば建物の中央部、一基のエレベータを挟んで両側に階段が配置されている。合理性に欠けるが、たいへん美しい。

メタボ岡崎研究家の@nanki氏曰く『この建物には至る所に黄金比が隠されている』
氏は現在、メタボ岡崎3Dモデリングデータの構築を手がけており、完成の折には建物に隠されたさらなる秘密が明らかになるかもしれない。3Dモデルの一日も早い完成及び徹底した分析が待たれるところである。

下の画像は、@nanki氏の手により、驚くべきクオリティで再現されたメタボ岡崎3Dモデリングスクリーンショット。氏曰く「今までの人生で手がけてきたモノの中で、一番クオリティが高い制作物になってしまった」 本データを元に、FPSゲーム「MO(MetaboOkazaki)」やLEGO版「メタボおかざき」の開発等様々な企画が有志により手がけられる予定。

なお姉妹マンションとおぼしき『メタボ広沢』が右京区にあるらしい。同様に老朽化が進み、某TV番組では心霊スポットとして紹介されていたとか。実に失礼な話である。外見は類似点も多々あるものの、シルエットに大幅な差異が見られる。メタボ広沢は75年施工、メタボ岡崎は80年施工なので、メタボ広沢で得たフィードバックがメタボ岡崎に投入されたのだろうか。
(メタボ広沢)

僕の部屋、契約前に下見をしたところ、室内バスルームには鳥の糞が散らばっていた。ハトが住んでいたらしい。(その後管理人さんにクリーニングしてもらった)

風雨にさらされ、朽ち果てた僕の部屋の浴室窓。

今日の午後、階下の廊下からラジオ放送のような音がするのでなんだろうと思ったら、女性アナウンサーの無機質な声でなにか(乱数表?)を読み上げているとおぼしきハングルの放送が、とある一室から漏れ出ていた。一体誰が住んでいるんだろう。一昨日は突然廊下の火災報知ベルが鳴り出し、数秒後に停止した。

室内にある謎の非常ボタン。メタボ岡崎歴が長い人に聞いてみたが、押すと何が起こるのかは知らないらしい。

付近一体には、廃墟スポット特有の独特な空気が漂う。時間が止まっている感じ。人気がない。チェルノブイリのようだ。

メタボ岡崎入り口。建物名を記した碑があるが、時の洗礼を受けツタが絡まり、文字が読めなくなっている。

地下一階にはなかなかイケてるジャズ・バー「ZAC BARAN」がある。お酒も料理もとても美味しい。



(ZAC-BARAN 店長。料理の腕が素晴らしい!!)

屋上では楽器練習もおk。

ZAC BARANでとある住民の方に借りた本。Geekや芸術家肌の個性的な人が住んでいる。

メタボ岡崎の魅力はまだまだ語り尽くせないほどある。空室がまだあるようなので、左京区内で引越しを検討している方、如何ですか :)